飲食店を経営するなかで、今後の多店舗展開や事業の拡大を見据えた場合、確固たる資金基盤の構築は避けて通れない課題です。
日々の売上を伸ばすだけでなく、手元に現金を残す仕組みを整えることが、安定した店舗運営の鍵となります。しかし、日々の業務に追われるなかで、財務状況を正確に把握することは容易ではありません。店舗数が増えると、資金の流れも人の配置も一気に複雑になります。全体では黒字でも、その裏で“隠れ赤字店”がキャッシュを侵食している――多店舗展開にはこうした落とし穴がつきものです。
この記事では、多店舗展開に向けた資金面の土台づくりをはじめ、店舗別損益などの判断材料を活用した意思決定、コンサルと進める補助金や融資を活用した成長戦略の立案について解説します。経営の安定化と今後の成長に向けた資金計画を立てるための参考にしてください。
自在創研では、飲食店の経営者様が抱える「多店舗展開したいが資金面が不安」というお悩みに寄り添い、強固な財務基盤の構築をサポートしております。一般的な税理士事務所が担う記帳代行や税務申告といった過去のお金の整理・対応とは異なり、資金調達や資金繰り改善といった未来のお金の戦略(=財務)に特化しています。
これまでに30社を超えるフードビジネスの支援実績があり、それぞれの現場の状況に合わせた具体的な資金計画を提案してきました。
店舗数を増やす過程では、新たな設備投資や人材採用など、多岐にわたる場面でまとまった資金が必要となります。そこで、店舗別の損益管理や実績の「資金繰り表」を共に作成し、お金の流れを数字として可視化するお手伝いをいたします。将来のキャッシュフローを把握することで、出店に伴う資金ショートのリスク低減につながり、店舗運営に集中しやすい状態を目指せます。
さらに、単なる書類作成にとどまらず、経営者様ご自身が状況を深く理解し、適切な判断を下せるよう気づきを促す対話型のコンサルティングを重視しております。いわば社外CFO(財務顧問)として伴走支援する形です。
多店舗展開や経営安定に向けた継続的なサポートをご提供しますので、ぜひ一度ご相談ください(初回相談は無料です)。詳しい支援内容につきましては、以下のページでご案内しております。
飲食店を経営するうえで、店舗数を増やす前には強固な資金基盤を整えることが重要です。
なお、既存店の経営体質を測る指標として「FL比率:食材費(Food)+人件費(Labor)」が役立ちます。一般的に売上高に対して約6割が目安。さらに家賃(Rent)を加えたFLR比率だと約7割が目安とされます。ここが高止まりしている既存店を抱えたまま多店舗展開を行うことは大きなリスクです。
多店舗展開を進めるためには、まず既存店舗のお金の流れを正確に把握する必要があります。損益計算書上の売上と利益だけでなく、実際の入出金を管理することで、手元にいくら現金が残っているかを確認します。「資金繰り表」を作成し、月々の固定費や変動費を可視化するとよいでしょう。現状の資金余力を知ることが、次のステップへ進むための第一歩となります。
新しい店舗を構える際は、物件の取得費用や内装工事費、厨房機器の導入費など、多岐にわたる初期費用が発生します。居抜き物件の活用で初期費用を抑える、といった選択肢も検討に値します。
これらの費用を事前に細かく見積もり、自己資金で賄える範囲と外部からの調達が必要な金額を明確にします。余裕を持った資金計画を立てることが、開店後の資金ショートを防ぐポイントです。
また、出店費用の全てを借入で賄うのではなく、一定割合の自己資金を用意しておく方が融資審査でも有利に働きやすくなります。創業時には、日本政策金融公庫の融資が有力な選択肢となりますが、必要な資金額の3割程度を確保していれば、融資は通りやすくなると言われています。
オープン直後は想定どおりに売上が伸びないことも多く、数ヶ月分の運転資金をあらかじめ確保しておくことが求められます。目安として、毎月の固定費の3~6ヶ月分を手元資金として確保しておきたいところです。また、融資の据置期間(元金の返済を一定期間猶予する仕組み)を活用すれば、立ち上げ期の返済負担を軽くできます。家賃や人件費などの支払いが滞らないよう、予備資金を準備しておくことで、不測の事態にも対応しやすくなります。拡大局面においては、目先の繰上返済で手元資金を薄くするより、あえて現金を厚く持っておくことが次の出店や不測の事態への備えになります。つまり、手元の現金を厚く保つ工夫が経営の安定につながります。
店舗ごとの収益性を正しく把握することは、今後の事業方針を決定するための重要なステップです。
複数の店舗を運営している場合、全体の数字だけでなく、店舗別の損益を細かく確認することが求められます。各店舗の売上高から、食材費や人件費、家賃などの経費を差し引き、それぞれの利益貢献度を算出します。どの店舗が利益を生み出し、どの店舗が苦戦しているかを数字で把握することが、経営の判断材料となります。このとき、本部の人件費や広告費といった「共通費(本部費)」をどう各店舗に割り振るかで店舗の見え方は変わります。共通費を配賦する前の“店舗単体の利益”と配賦後の“最終的な利益”を分けて見ると、判断が誤りにくくなります。なお、店舗別会計については、以下の記事で詳細を説明していますので、ぜひこちらもご参照ください。
利益が出ていない店舗については、その原因を深掘りする必要があります。客数の減少なのか、客単価の低下なのか、あるいは経費の増加なのかを分析します。課題が明確になれば、メニューの見直しやシフトの調整、価格の適正化(値上げ)など具体的な対策を打つことができます。早期に対策を講じることで、全体の収益悪化を防ぐことにつながります。
店舗別のデータを蓄積することで、新規出店や不採算店舗の撤退に関する基準を設けることができます。一定期間赤字が続く場合は撤退を検討するなど、あらかじめルールを決めておくことで、客観的な意思決定が可能になります。数字に基づいた方針を持つことが、事業の成長を支えます。
撤退の判断においては、「限界利益(売上高-変動費)」が一つの軸となります。限界利益がマイナスなら、営業を続けるほど赤字が膨らむため早期撤退が合理的です。一方、限界利益がプラスなら話はやや異なります。店を閉めても家賃などの固定費はすぐにはなくならない場合がありますし、撤退費用が別途発生します。営業を続けて限界利益で固定費を一部でも回収できるなら、閉めるより続けたほうが赤字が小さくて済む場合があります。
外部の資金調達手段を適切に組み合わせることで、事業の拡大をより円滑に進めやすくなります。
新たな設備投資や業態転換を図る際は、国や自治体が提供する補助金制度を活用できる場合があります。「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「中小企業省力化投資補助金」が代表的なものとして挙げられます。補助金は採択・交付された場合、原則として返済が不要なため、資金繰りの負担を抑えながら投資を行う選択肢として検討できます。ただし、補助金は精算払い(後払い)が一般的なため、採択後の支払いまでを見据えて、つなぎ資金を用意しておくことが重要です。必要に応じて、メインバンクとも相談のうえ、つなぎ融資を確保しておくと安心です。
申請には要件を満たす必要があるため、日頃から最新の制度について情報収集を行い、自社で活用できるものがないかを確認するとよいでしょう。
まとまった資金が必要な場合は、金融機関からの融資を検討します。融資をスムーズに受けるためには、説得力のある事業計画書の作成が欠かせません。資金の使い道や返済計画を論理的に説明できるよう、日々の財務データを整理しておくことが重要です。「借入金が月商の何ヶ月分か」という「借入月商倍率」を意識して借入余力を見極めると、過剰債務を避けながら計画的に出店を進められます。また、「月次試算表」や「資金繰り表」を作成し、金融機関に定期的に提出・報告しておくと、金融機関との信頼関係が築け、必要なときに資金を調達しやすくなります。
補助金の申請や融資の準備には、専門的な知識と多くの時間が必要です。そのため、財務に明るい専門家のサポートを受けることも一つの方法です。外部の視点を取り入れることで、より実現可能性の高い成長戦略を描くことにつながります。
多店舗展開を進める際は、出店候補エリアの市場環境を事前に確認することも重要です。人口構成や昼夜の人流、周辺の競合店舗の状況などを把握することで、自店舗との相性を検討しやすくなります。また、商圏の特徴によって必要な投資額や売上計画も変わるため、出店戦略は、資金計画と一体で考える必要があります。出店前には、出店場所の商圏調査など十分な情報収集を行うことが大切です。資金計画とあわせて出店戦略を整理することで、より現実的な成長計画を立てやすくなります。
自在創研では、飲食店の資金調達、資金繰り改善に向けたサポートを行っております。現状のキャッシュフローの可視化から、補助金や融資を活用した資金調達まで、経営者様に寄り添いながら一貫してサポートします。この記事でお伝えした店舗別損益の管理、多店舗展開の資金戦略についても対応可能です。資金面の課題整理や事業の成長戦略についてお悩みの際は、ぜひ一度お問い合わせください(初回相談は無料です)。
| 会社名 | 合同会社自在創研 |
|---|---|
| 代表者 | 代表社員 小林祐介 |
| 所在地 | 本社:神奈川県藤沢市藤が岡 東京事務所:〒141-0031東京都品川区西五反田1-20-1-B102 |
| 業務内容 | ①資金調達・資金繰りサポート:資金繰り改善サポート、資金調達・融資サポート、個別コンサルティング ②レンタルスペース:都内に3軒展開(五反田・田町) |
| 連絡先 | お問合わせフォームよりご連絡ください |
| URL | https://jizaisoken.com/ |