黒字倒産を防ぐ飲食店の資金繰り表の活用と将来予測の手法

Column

飲食店の資金繰り表を活用した現状把握から将来予測までの運用法

店舗ビジネスにおいて、利益が出ていても手元の現金が不足する事態を防ぐためには、日々の入出金を正確に把握することが重要です。現金の流れを可視化するためには、飲食店の資金繰り表を作成し、毎月の収支を明確にする必要があります。損益計算書(PL)が「利益」を映し出すのに対し、資金繰り表は「現金」の動きを映します。黒字でも倒産が起きるのは、この二つがズレるからです。数字の動きを客観的に確認することで、早めに課題に気づき、対策を打つことが可能になります。

この記事では、飲食店の資金繰り表の作り方の基礎となる事前の情報整理から、手元資金が減少する予兆の見つけ方、経営判断に役立てるための将来予測の考え方まで、実際の表のサンプルを交えながら、わかりやすく解説します。

今後の安定した店舗運営に向け、判断材料の一つとしてぜひお役立てください。

利益と現金のズレを見える化!自在創研の伴走型資金繰りサポート

自在創研では、店舗数の拡大とともに見えにくくなる「利益と現金のズレ」にお悩みの経営者様へ向け、社外CFO(財務顧問)としての伴走支援を行っております。一般的な税理士事務所が担う記帳代行や税務申告といった過去のお金の整理・対応とは異なり、資金調達や資金繰り改善といった未来のお金の戦略(=財務)に特化しています。

店舗型のフードビジネスでは、売上が伸びていても、消費税の支払いや借入金の元金返済、新たな店舗への設備投資などによって、手元から現金が消えていくケースが少なくありません。

自在創研はこれまでに、農業から飲食店まで30社を超えるフードビジネスの現場で、数字の背景にある要因を整理してきました。

毎月1回の定期訪問を通じて、単に過去の数字を追うだけでなく、1年先のキャッシュを予測できる状態を一緒にお作りします。

また、最低契約期間を設けていないため、状況に合わせて柔軟にご相談いただくことが可能です。

初回相談は無料です。複雑になりがちな多店舗展開の財務状況をわかりやすく整理し、日々の経営負担の軽減を目指すサポートをお探しの経営者様は、ぜひ自在創研の支援の活用をご検討ください。

飲食店の資金繰り表の作り方と作成前に整理したい情報とは

飲食店の資金繰り表の作り方と作成前に整理したい情報とは

飲食店の現金の動きを正確に把握するためには、日々の支出と収入を抜け漏れなくまとめることが重要です。資金繰り表の作り方として、具体的な数字を入力する前に、まずは店舗ごとの入出金のサイクルを整理するとよいでしょう。資金繰り表とは、現預金(キャッシュ)の残高・推移を表す資料で、毎月のキャッシュフロー管理に不可欠です。資金繰り表には、3つの収支が存在し、「経常収支」「設備収支」「財務収支」で構成されます。

経常収支は企業の本業である商品・サービスの販売や提供など、日々の営業活動で発生する収支のことを言います。具体例としては、以下が挙げられます。経常収支がプラスになっていないと、返済や投資が賄えないため、要注意です。

  • 収入:現金売上、売掛金の回収など
  • 支出:仕入代金の支払い、従業員給与の支払い、支払利息、納税など

「設備収支」は事業の成長や維持のために行う設備投資や資産の購入・売却に伴うお金の流れ。「財務収支」は借入や返済、資金調達や返済に伴うお金の流れを示します。

売上の入金時期を把握する

日々の現金売上に加え、クレジットカードや電子決済などのキャッシュレス決済は、入金されるタイミングが異なります。入金サイクルを正確に把握し、いつ手元に現金が入るのかを明確にすることが大切です。「売上が立った日」と「現金が入る日」がズレる点こそ、資金繰り表で押さえるべき最重要ポイントです。

固定費と変動費を分類する

毎月必ず発生する家賃や基本のシステム利用料などの固定費と、売上に応じて変動する食材の仕入れ代などの変動費を分類します。支出の性質を分けることで、売上が変動したときの影響を計算しやすくなります。

借入金の返済予定を整理する

金融機関からの借入がある場合は、毎月の元金と利息の返済額を確認し、年間のスケジュールに落とし込みます。このとき、元金返済は表の「財務収支」に入る点に注意します(損益計算書上の「経費」にはならないため、利益が出ていても現金は減ります)。

また、複数の店舗を運営している場合は、店舗ごとの経費や売上を細かく分類することで、全体の収支構造がより鮮明にわかるようになります。このように、事前に必要な数字とスケジュールを揃えることが、精度の高い表を作成するうえで欠かせません。

資金繰り悪化の予兆を見逃さないための重要な確認ポイント

資金繰り悪化の予兆を見逃さないための重要な確認ポイント

毎月の入出金を記録するだけでなく、数字の変化から危険なサインをいち早く読み取ることが、店舗経営を安定させるカギとなります。手元資金の減少につながる予兆を見つけるために、定期的に以下の項目を確認するとよいでしょう。

経常収支がマイナスになっていないか確認する

最も重要なサインが、先ほどの表の「経常収支」です。ここがマイナスということは、本業の活動だけでは資金繰りが回っていないことを意味します。財務収支(借入)で穴埋めして預金残高を保っていたとしても、それは一時しのぎに過ぎません。経常収支のプラス・マイナスを毎月確認することが、危険の早期発見につながります。

預金残高の減少傾向を確認する

毎月末の預金残高が数ヶ月にわたって少しずつ減少している場合は、収支のバランスが崩れているサインかもしれません。売上が維持されていても現金が減っているときは、見えない経費の増加や入金の遅れがないか、早急な確認が必要です。ここで重要になるのが、現預金が月商の何ヶ月分あるかという「現預金月商比率」です。月商の3ヶ月分以上が理想です。一方、月商の1ヶ月分以下だと危険レベルです。

支払い負担の増加を把握する

水道光熱費の値上がりや、人材確保のための採用費など、気づかないうちに支払い負担が増加していることがあります。さらに、数ヶ月先までにまとまった支払いが控えている場合、現在の現金残高で対応できるかを確認し、不足する予兆があれば事前に対策を打つことが大切です。

在庫や経費の変化を確認する

売上に対して仕入れの金額が過剰になっていないか、店舗ごとに在庫量を確認します。過剰な在庫は現金が商品に変わったまま眠っている状態を意味するため、適切な仕入れ量に調整することで、手元の現金を確保することにつながります。

資金繰り表を活用した将来予測の考え方と経営判断の基本

過去の実績を記録するだけでなく、数ヶ月先の現金の動きを見立てることで、攻めと守りのバランスが取れた経営判断が可能になります。

資金繰り表を活用した将来予測を行い、多店舗展開や事業の成長に活かすためのポイントをご紹介します。

季節変動を予測に反映する

飲食店は季節やイベントによって売上が変動しやすいため、過去の実績を参考に繁忙期と閑散期を予測へ反映します。年間を通じた現金の動きを把握することで、資金不足の発生しやすい時期を事前に想定しやすくなります。

複数パターンの予測を作成する

売上が計画どおりに推移した場合だけでなく、想定を下回った場合や想定以上に伸びた場合など、複数のシナリオを作成します。異なる状況を比較することで、柔軟な経営判断につなげやすくなります。

出店計画に伴う支出を計算する

新たな店舗を出店する際は、保証金や内装工事費などの初期費用に加え、開業直後の運転資金が必要です。予測を立てることで、手元に残しておくべき現金のラインを明確にし、無理のないスケジュールで出店を進められるようになります。

不測の事態に備えた資金を確保する

設備の予期せぬ故障や、一時的な休業など、突発的なトラブルが発生したときでも店舗運営を継続できるように、余裕を持った資金計画が必要です。将来の現金の動きをシミュレーションしておくことで、リスクに対する備えを整えることができます。

融資や補助金の活用を検討する

自己資金だけでは新しい投資が難しい場合、早めに金融機関への相談や補助金制度の申請準備を進めることができます。正確な数字に基づいた将来予測は、外部へ資金調達を打診する際の説明材料の一つにもなります。

予測と実績を定期的に比較する

将来予測は一度作成して終わりではありません。毎月の実績と比較しながら修正を重ねることで、予測精度の向上が期待できます。継続的な見直しによって、現金の動きをより正確に把握しやすくなります。

将来予測で成長を後押し!飲食店の資金計画のご相談は自在創研へ

自在創研では、店舗経営者様が抱える現金の負担を軽減し、前向きな経営判断ができるよう財務面からサポートいたします。今の状況を整理し、経営の土台を整えたいとお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。

【Q&A】飲食店の資金繰り表の活用についての解説

飲食店の資金繰り表を作成する前に、どのような情報を整理するとよいですか?
現金売上やキャッシュレス決済の入金時期、家賃などの固定費と仕入れなどの変動費、そして借入金の返済予定などを事前に一覧にまとめるとスムーズです。
手元資金が減少する予兆を見つけるためには、どこを確認すればよいですか?
毎月末の預金残高が減少していないか、あるいは想定外の経費の増加や、売上に対する過剰な仕入れが発生していないかを確認することが大切です。
作成した表をもとに将来予測を行うことで、どのような経営判断に役立ちますか?
年間を通じた現金の動きの把握や、新規出店に伴う初期費用の算出、外部からの資金調達に向けた準備など、具体的な計画を立てる判断材料になります。

飲食店の資金繰り表作成のサポートなら自在創研へ

会社名 合同会社自在創研
代表者 代表社員 小林祐介
所在地 本社:神奈川県藤沢市藤が岡
東京事務所:〒141-0031東京都品川区西五反田1-20-1-B102
業務内容 ①資金調達・資金繰りサポート:資金繰り改善サポート、資金調達・融資サポート、個別コンサルティング
レンタルスペース:都内に3軒展開(五反田・田町)
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