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飲食店の資金繰りを改善する10の打ち手│過去最多の飲食店倒産から身を守る

飲食店の資金繰りを改善する10の打ち手│過去最多の飲食店倒産から身を守る

2026年06月03日 18:18

飲食業界は現金商売と言われますが、実は今、物価高に加え、キャッシュレス手数料と入金サイクルのズレ(遅れ)によって、資金繰りが厳しい企業が増えています。

事実、飲食店の倒産は危機的な水準で増え続けています。帝国データバンクの調査によれば、2025年1〜6月の飲食店の倒産件数は458件となり、前年同期(435件)を上回り過去最多(統計開始以降) を記録しました(倒産件数としては2000年以降のデータベースで最多)。このペースなら 年間で初めて900件台に乗る可能性があるとされています。また、年ベースで3年連続で倒産件数が増加している状況です。


もはや、「美味しいものを作っていれば生き残れる」という時代ではありません。個店だけで考えてみると「新規開業した個店の約7~8割が3年以内に閉店に追い込まれている」という調査データもあります(居抜き店舗紹介会社が公表している統計データより)。こうした事態を防ぐためには、オペレーションや集客に終始するのではなく、「資金繰り対策」が不可欠と言えます。 そこで今回は、店舗資金繰りコンサルタントとして推奨できる「飲食店の資金繰りを良くする具体的な策」をご紹介します。泥臭いけれど効果的な実務テクニックです。

▼入金策

①いざという時のために余裕資金を確保しておく
基本中の基本ですが、これが最強の防御策です。確保しておきたい金額としては、月商の3ヶ月以上、もしくは固定費の6ヶ月以上が理想です。逆に、月商の1か月以下、もしくは固定費の3か月以下になると危険です。銀行融資は「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」と言われます。調子が良い時こそ、借入をしてでも手元資金を厚くしておくのが経営の鉄則です。

②入金サイトを加速させる(楽天ペイ等の活用)
キャッシュレスの最大の敵は入金の遅れです。カード売上が翌々月入金では、資金ショートのリスクが高まります。そこで導入すべきが、以前のブログでも紹介しましたが、「翌日入金」に対応した決済サービス(楽天ペイ等)です。365日、売上の翌日には現金が入る仕組みを作ることで、資金繰りのストレスは劇的に改善します。


③戦略的に「現金支払い」に誘導する
営業利益率が10%の店で、決済手数料を3%引かれると、「利益の30%が消える」ことになります。これを防ぐために、あえて泥臭く現金を取りに行きましょう。方法は2つあります。一つは、「現金支払いへの誘導」です。5,000円の決済手数料(約160円)を払うくらいなら、原価50円のドリンクをサービスしてでも現金をもらった方が、利益も残り次回の来店にも繋がります。もう一つは、思い切って「現金のみ(Cash Only)」を貫くことです。本当に美味しい店なら、お客様は現金を出してでも来てくれます。手数料を払ってまで、当店に愛着のない客に来て欲しいか? あえて不便にすることで、質の高いファンだけを「ふるいにかける」のも、一つの高度なブランド戦略です。


④売掛金をファクタリングで早期現金化する
どうしても資金が足りない場合、売掛金をファクタリング会社に売却して、早期に現金化する手法もあります。手数料はかかりますが、背に腹は代えられない場面では非常に心強い選択肢です。ただ、恒常的な利用は資金繰りを悪化させる恐れがあるため、あくまで緊急時の選択肢として位置づけることが重要です。

▼出金策

⑤支払いを極力遅くしてもらえるよう交渉する
「入金は早く、支払いは遅く」。これが資金繰りの黄金ルールです。仕入れ先や業者に対し、支払いサイトを少しでも延ばせないか交渉してみてください。創業当初は難しくても、実績ができれば応じてもらえるケースは多々あります。

⑥経費支払いにクレジットカードを活用する
現金払いだとその場でキャッシュが消えますが、法人カード等で支払えば、実際の引き落としを「1ヶ月以上先送り」できます。実質的に無利息でお金を借りているのと同じ効果があります。会計ソフトとの連動も楽になるので一石二鳥です。


⑦請求書カード払いの活用
最近増えているサービスです。銀行振込しか対応していない取引先への支払いをカード決済代行サービスを通すことでカード払いにできます。手数料(3~4%程度)はかかりますが、支払いを1~2ヶ月先延ばしにできるため、短期的な資金ショートを防ぐ命綱になります。


⑧給与支払日の設定を工夫する
従業員の給与支払日を「月末締め翌月10日払い」ではなく「25日払い」など、遅めに設定することで手元資金に余裕が生まれます。特に人件費率が高い飲食店では、この半月の差が死活問題になります。

▼その他

⑨単純な値下げよりおまけやポイントを選ぶ
集客のために安易に値下げ(割引)をしていませんか?値下げはその場のキャッシュを直撃します。代わりにドリンク1杯サービスや料理のおまけ、あるいは次回使えるポイントを渡すようにしましょう。お店としても、100円値引くより、売価300円(原価50円)の商品を提供したほうが、キャッシュの流出は少なく済みます。加えて、次回の来店にもつながります。「未来の売上」を作りつつ、現在の現金を守る賢いテクニックです。

⑩経費削減に努める
無駄な出費は利益を食いつぶします。経費、特に特に毎月かかる固定費を下げていきましょう(持続的効果を発揮します)。また、設備購入や新たな取引の際は、必ず「相見積もり」を取りましょう。取引金額が大きくなった段階で、ボリュームディスカウントを交渉するのもよいでしょう。

▼まとめ

いかがでしたでしょうか?この10の策で、入金を早め、出金を遅らせ、手元資金の底を上げていきましょう。ただ、
「自社の場合、どこから手を付ければいいかわからない」
「現金誘導のうまいやり方を知りたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの会社のお金の流れ(血流)を診断し、利益と現金を最大化する方法をご提案します。