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売上は増えたのにお金が残らない?飲食店を苦しめる「手数料」の正体

売上は増えたのにお金が残らない?飲食店を苦しめる「手数料」の正体

2026年06月03日 14:12

「うちはお客様のために全種類のクレカとQR決済に対応しています!」
そう胸を張る経営者がいらっしゃれば、店舗資金繰りコンサルタントとして少し心配をしてしまいます。世の中はキャッシュレス全盛です。国も推進しています。しかし、その便利さの裏で、あなたのお店の「利益」と「現金(キャッシュ)」が、静かに、しかし確実に削り取られていることに気づいていますか?

今回は、多くの飲食店が陥るキャッシュレスの罠と、現金(キャッシュ)を守るための泥臭いけれど効果的な対抗策についてお話しします。

▼「売上の3%」ではなく「利益の30%」が消えている

多くの経営者はこう考えます。
「手数料3.25%なんて必要経費。1,000円売って32円引かれるだけでしょ?」

これは大きな間違いです。飲食店の営業利益率は、一般的に10%前後と言われています。
もし1,000円のランチを売って、手元に残る最終利益が100円(10%)だとしましょう。
ここでクレジット決済手数料で32円引かれるとどうなるか?「100円の利益のうち、32円(約3割)が決済会社に持っていかれる」 ということになります。

一生懸命働いて、原価を削り、人件費をコントロールして捻出した虎の子の利益の30%が、ただ右から左へ決済システムを通しただけで消えるのです。こう考えるとゾッとしませんか?

▼さらに追い打ちをかけるグルメサイトの「送客手数料」

ここにもう一つ、見落としがちな強敵がいます。
「ぐるなび」や「ホットペッパー」などの予約ポータルサイトです。

ネット予約が入ると、1人あたり50円〜200円程度の「送客手数料」が発生します。では、先ほどの「1,000円ランチ」の例で、もしお客様が「ネット予約」をして、かつ「カード払い」をしたらどうなるでしょうか?


·売上:1,000円想定利益:100円

·カード手数料:▲32円

·送客手数料:▲50円(仮)

·残る利益:たったの18円


お分かりでしょうか? 汗水垂らして料理を作り、サービスをして、最後に残るのが18円です。入り口(予約)で手数料を取られ、出口(決済)でも手数料を取られる。まさに「往復ビンタ」です。 これこそが、手数料ビジネスに蝕まれる飲食店の実態なのです。気づいた時には、頑張っているのに利益・キャッシュが残らない。これでは何のために働いているのか分かりません。

▼最大の敵は「入金サイト」

しかも、手数料以上に怖いのが「入金サイト(お金が入ってくるまでのタイムラグ)」です。
現金払いなら、その場でお金が入ります。その日の夜に食材を買えます。しかし、クレジットカードの場合、入金されるのは翌月末や翌々月になることもあります。

「売上は立っているのに、手元に現金がない」
これは以前のブログで解説した「黒字倒産」の入り口です。特に資金体力の弱い小規模店舗にとって、現金の入りが1ヶ月遅れることはとても痛いことです。

▼手数料の「上乗せ請求」は絶対NG!

ここで一つ、絶対にやってはいけないことがあります。

「手数料が引かれるのが嫌だから、カード払いの場合は3%上乗せして請求しよう(またはランチはカード不可にしよう)」
気持ちは分かりますが、これは「加盟店規約違反」です。 クレジットカード会社は、現金払いとカード払いで価格差をつけることや、手数料をお客様に転嫁することを規約で禁じています。もしお客様からカード会社に通報されれば、最悪の場合、契約解除(カード決済自体が使えなくなる)というペナルティを受けます。

だからこそ、規約を守りながら、正攻法で対抗する「戦略」が必要なのです。

▼対抗策①:「楽天ペイ」で入金サイクルを加速させる

とはいえ、今さら「現金のみ」にするのは勇気がいる…という方もいるでしょう。キャッシュレスを維持しつつ、資金繰りを守るなら、「楽天ペイ(実店舗決済)」の活用が一つの解です。

楽天ペイの最大の強みは、「翌日入金」です(※楽天銀行口座を指定した場合)。365日、土日祝日に関係なく、売上の翌日には現金が口座に入ります。手数料(3%〜)はかかりますが、少なくとも「入金サイト」による資金ショートのリスクは極限まで減らせます。資金繰り重視の経営者なら、導入を検討すべきツールです。

▼対抗策②:あえて「現金のみ」を貫く

思い切って「現金のみ(Cash Only)」にするのも、悪くありません。

「カードが使えないなら行かない」そう言うお客様がいるかもしれません。しかし、恐れる必要はありません。決済手段を理由に来店をやめる客は、そもそもあなたのお店のファンでも何でもありません。あなたのお店の味やサービスに対する来店動機が、その程度(たいして高くない)ということです。
そんな熱量のお客様に合わせるために、身を削って手数料を払う必要はありません。むしろ、「現金を出してでも食べたい」と言ってくれる「真のファン」だけを残す。あえて不便にすることで、質の高いお客様だけを「ふるいにかける(スクリーニングする)」のです。

かつてのサイゼリヤや、行列のできるラーメン店を見てください。商品の魅力が圧倒的であれば、お客様は現金払いのみでも喜んで財布を開きます。商品の魅力、サービス品質を磨けば、必ずしも身を削ってお客様に迎合する必要はないのです。

▼対抗策③:「現金払い」に誘導する

「現金のみにするのは怖い。でも手数料は減らしたい…」
それなら、お客様がつい現金で払いたくなる「仕掛け」を作りましょう。

例えば、私がよく行く中華料理屋さんでの事例ですが、現金支払いの方限定で「くじ引き」ができるという施策を実施されていました。私も現金払いにして、くじ引きに挑戦しました。

ここで重要なのは計算です。5,000円の飲食代のカード手数料(3.25%)は、約160円です。もし、くじ引きの景品(次回使えるサービス券やドリンク)でお客様が現金を出してくれれば、「160円の手数料支払いを回避し、100円以下の原価コストで済んだ」ことになります。かつ、現金が増え、次回の来店にもつながる。一石二鳥どころか三鳥です。これは、とても賢い施策です。

▼Cash is King(現金は王様)

便利なツールは使うべきですが、使われてはいけません。「みんながやっているから」と思考停止で導入したキャッシュレス端末が、あなたのお店の利益と現金を蝕んでいないか、今一度確認してください。「手数料で月いくら消えているか?」「その金額があれば、何ができたか?入金サイクルは自社の支払いに間に合っているか?」自問自答してください。

もし今、
「売上はあるのに、なぜか月末の支払いが苦しい」
「手数料地獄から抜け出し、筋肉質な財務体質を作りたい」
そう感じているなら、一度ご相談ください。

私は店舗資金繰りコンサルタントとして、
決済手段の見直しによる利益改善シミュレーション
「翌日入金」を実現する仕組みづくり
お客様が喜んで現金を出す仕掛け
を一緒に考え、実行まで伴走します。