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2025.12.15
ご飯が致命的にマズい…ある日のランチと「東京チカラめし」から学ぶ教訓

  • 普段は、財務・資金繰り、店舗ビジネスの経営についてブログを書いていますが、今回はちょっと毛色を変えてみますね。

    今回は、つい先日私が体験したあるランチの出来事と、かつて一世を風靡しながら急速に姿を消した「東京チカラめし」の事例を掛け合わせ、フードビジネスで欠かせない教訓を提唱してみようと思います。

    ▼サバは美味しい。しかし、ご飯が致命的にマズい…

    私は普段から様々な飲食店で食事をします。先日、ランチでふらりと入ったお店での出来事です。

    注文したのは「焼きサバ定食(880円)」。 運ばれてきたサバは脂が乗っていて、とても美味しそうでした。しかし、定食のご飯を見た瞬間、違和感を覚えました。「ん? 色がおかしい…?麦ごはん?」
    箸でめくってみると、明らかに炊飯器の底で焦げ付いて変色しており、長時間保温し続けた蒸しごはん特有の臭いがします。食べてみると、パサパサの部分とベチャッとした部分が混在し、正直に言ってあまり食べられるレベルではありませんでした。
    メインの焼きサバは美味しいのに、それを受け止める土台のご飯が致命的にマズい。これだけで、食事全体の満足度は地に落ちました。

    会計時に店員さんにその旨を伝えたところ、事実に気づき、「今回のお代は結構です」と全額サービスになりました。 私は決してタダ飯を食べたかったわけではありません。なんとなく申し訳なさと、なんか食事したのに疲れたなという複雑な気持ちを抱えて店を後にしました。

    ▼「ご飯がマズい」で消えた東京チカラめし

    このご飯がマズいという体験で脳裏をよぎったのが、かつて「焼き牛丼」という画期的なスタイルで一世を風靡した「東京チカラめし」です。

    2011年の1号店オープンから、わずか1年半で100店舗以上という驚異的なスピードで拡大。私も当時は「焼肉感があって旨い!」とよく通っていました。が、致命的にマズいご飯と出会ってしまい、以降行くことはなくなってしました。その後の衰退は皆さんもご存知の通りです。最盛期に130店舗あった店は、一時期は国内店舗がほぼ消滅(現在は一部店舗で営業を続けているようです)。

    なぜ、あれほどの勢いがあったチェーンが崩壊したのか?改めて分析すると、そこには「現場(オペレーション)」と「経営(戦略)」の2つの致命的なミスがありました。

    ▼現場の崩壊:オペレーションの構造的欠陥

    「焼き牛丼」には構造的な弱点がありました。

    • 提供スピードの遅れ:「煮る(吉野家・松屋)」は盛るだけですが、「焼く」は調理時間がかかります。忙しいランチタイムのサラリーマンにとって「待たされる」のは致命的です。
    • 店内の汚れ(QSCの欠如):店内で肉を焼くため、油煙が充満しやすく、床やテーブルがヌルヌルするという衛生面(Cleanliness)の課題がありました。
    • ご飯の品質低下:これがトドメです。急拡大によるスタッフ教育不足からか、「ご飯がパサパサでマズい」「芯が残っている」という口コミが当時殺到しました。「焼き」のタレだけでは、不味いご飯は誤魔化せなかったのです。

    ▼運営会社は現在どうなっているのか?

    さて、ここからがとても考えさせられる話です。
    ブームが去り、店舗もほとんど無くなってしまった東京チカラめし。その運営会社(SANKO MARKETING FOODS)は今、どうなっていると思いますか?ちなみに同社は、全品均一価格居酒屋の先駆けとして一時代を築いた「金の蔵」を手掛けた会社でもあります。なお、金の蔵は、2000年代後半〜2010年代に全品270円などで人気を集め、全国100店舗近くを展開しましたが、飲食業界の環境変化やコロナの影響で急速に縮小。2025年時点で、営業継続しているのは池袋サンシャイン通り店など、ごく一部のみとされています。つまり、奇しくも、「東京チカラめし」も「金の蔵」も、劇的に流行り→廃りの道を辿ってしまったのです。

    現在、同社は店舗数を大きく減らして業態変更していますが、驚くべきはなんと「漁業」に参画しているのです。
    自社で船(「SANKO丸」など)を保有し、漁師さんと一緒に海に出て魚を獲り、それを加工して、自社の店舗で提供する。いわゆる製造直販に本気で取り組んでいるのです。

    私自身、コンサルタントとして農業支援や六次産業化の支援にも携わっていますので、一次産業(漁業)に関与し、中間コストを省きながら付加価値を高めようとする方向性は、日本の一次産業を支える意味でも、ビジネスモデルとしても、高く評価できます!これからの飲食企業が目指すべきあるべき姿の一つだとも感じています(実際のところ、私が好きなサイゼリヤも農業で製造直販に取組んでいます)。

    とは言え……現実はシビアです。そんな素晴らしい方向性での取り組みをしているにも関わらず、同社の決算は直近まで「8年連続赤字」という厳しい状況が続いています。 

    「正しいことをしていれば、いつか報われる」
    そう信じたいところですが、経営においては「利益(黒字)」が出なければ、どんなに崇高な理念も継続することができません。
    理想(ロマン)を語ることは大切です。しかし、そのロマンを実現し続けるためには、目の前の「ご飯を美味しく炊く」「床を磨く」「1円単位の利益を積み上げる」という、超基本的なことがベースになるのです。

    ▼足元を見つめ直す勇気

    もし、あなたが経営者で、
    「こだわっているのに、なぜか客足が伸びない」
    「新しい取り組みを頑張っているのに、赤字から抜け出せない」
    そう悩んでいるとしたら、一度視線を「足元」に戻してみてください。そんな当たり前のことを見直すだけで、景色が変わることがあります。
    私は店舗資金繰りコンサルタントとして、あなたの志あるビジネスを長く続けるために必要な「儲けるための財務基盤(資金繰り)」を一緒に固めていきます。

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2025.12.14
キャッシュレス貧乏になっていませんか?—飲食店を苦しめる「手数料」の正体

  • 「うちはお客様のために全種類のクレカとQR決済に対応しています!」
    そう胸を張る経営者がいらっしゃれば、店舗資金繰りコンサルタントとして少し心配をしてしまいます。世の中はキャッシュレス全盛です。国も推進しています。しかし、その便利さの裏で、あなたのお店の「利益」と「現金(キャッシュ)」が、静かに、しかし確実に削り取られていることに気づいていますか?

    今回は、多くの飲食店が陥るキャッシュレスの罠と、現金(キャッシュ)を守るための泥臭いけれど効果的な対抗策についてお話しします。

    ▼「売上の3%」ではなく「利益の30%」が消えている

    多くの経営者はこう考えます。
    「手数料3.25%なんて必要経費。1,000円売って32円引かれるだけでしょ?」

    これは大きな間違いです。飲食店の営業利益率は、一般的に10%前後と言われています。
    もし1,000円のランチを売って、手元に残る最終利益が100円(10%)だとしましょう。
    ここでクレジット決済手数料で32円引かれるとどうなるか?「100円の利益のうち、32円(約3割)が決済会社に持っていかれる」 ということになります。

    一生懸命働いて、原価を削り、人件費をコントロールして捻出した虎の子の利益の30%が、ただ右から左へ決済システムを通しただけで消えるのです。こう考えるとゾッとしませんか?

    ▼さらに追い打ちをかける「グルメサイトの送客手数料」

    ここにもう一つ、見落としがちな強敵がいます。
    「ぐるなび」や「ホットペッパー」などの予約ポータルサイトです。

    ネット予約が入ると、1人あたり50円〜200円程度の「送客手数料」が発生します。では、先ほどの「1,000円ランチ」の例で、もしお客様が「ネット予約」をして、かつ「カード払い」をしたらどうなるでしょうか?

    • 売上:1,000円想定利益:100円
    • カード手数料:▲32円
    • 送客手数料:▲50円(仮)
    • 残る利益:たったの18円

    お分かりでしょうか? 汗水垂らして料理を作り、サービスをして、最後に残るのが18円です。入り口(予約)で手数料を取られ、出口(決済)でも手数料を取られる。まさに「往復ビンタ」です。 これこそが、手数料ビジネスに蝕まれる飲食店の実態なのです。気づいた時には、頑張っているのに利益・キャッシュが残らない。これでは何のために働いているのか分かりません。

    ▼最大の敵は「入金サイト」

    しかも、手数料以上に怖いのが「入金サイト(お金が入ってくるまでのタイムラグ)」です。
    現金払いなら、その場でお金が入ります。その日の夜に食材を買えます。しかし、クレジットカードの場合、入金されるのは翌月末や翌々月になることもあります。

    「売上は立っているのに、手元に現金がない」
    これは以前のブログで解説した「黒字倒産」の入り口です。特に資金体力の弱い小規模店舗にとって、現金の入りが1ヶ月遅れることはとても痛いことです。

    ▼手数料の「上乗せ請求」は絶対NG!

    ここで一つ、絶対にやってはいけないことがあります。

    「手数料が引かれるのが嫌だから、カード払いの場合は3%上乗せして請求しよう(またはランチはカード不可にしよう)」
    気持ちは分かりますが、これは「加盟店規約違反」です。 クレジットカード会社は、現金払いとカード払いで価格差をつけることや、手数料をお客様に転嫁することを規約で禁じています。もしお客様からカード会社に通報されれば、最悪の場合、契約解除(カード決済自体が使えなくなる)というペナルティを受けます。

    だからこそ、規約を守りながら、正攻法で対抗する「戦略」が必要なのです。

    ▼対抗策①:「楽天ペイ」で入金サイクルを加速させる

    とはいえ、今さら「現金のみ」にするのは勇気がいる…という方もいるでしょう。キャッシュレスを維持しつつ、資金繰りを守るなら、「楽天ペイ(実店舗決済)」の活用が一つの解です。

    楽天ペイの最大の強みは、「翌日入金」です(※楽天銀行口座を指定した場合)。365日、土日祝日に関係なく、売上の翌日には現金が口座に入ります。手数料(3%〜)はかかりますが、少なくとも「入金サイト」による資金ショートのリスクは極限まで減らせます。資金繰り重視の経営者なら、導入を検討すべきツールです。

    ▼対抗策②:あえて「現金のみ」を貫く

    思い切って「現金のみ(Cash Only)」にするのも、悪くありません。

    「カードが使えないなら行かない」そう言うお客様がいるかもしれません。しかし、恐れる必要はありません。決済手段を理由に来店をやめる客は、そもそもあなたのお店のファンでも何でもありません。あなたのお店の味やサービスに対する来店動機が、その程度(たいして高くない)ということです。
    そんな熱量のお客様に合わせるために、身を削って手数料を払う必要はありません。むしろ、「現金を出してでも食べたい」と言ってくれる「真のファン」だけを残す。あえて不便にすることで、質の高いお客様だけを「ふるいにかける(スクリーニングする)」のです。

    かつてのサイゼリヤや、行列のできるラーメン店を見てください。商品の魅力が圧倒的であれば、お客様は現金払いのみでも喜んで財布を開きます。商品の魅力、サービス品質を磨けば、必ずしも身を削ってお客様に迎合する必要はないのです。

    ▼対抗策③:「現金払い」に誘導する

    「現金のみにするのは怖い。でも手数料は減らしたい…」
    それなら、お客様がつい現金で払いたくなる「仕掛け」を作りましょう。

    例えば、私がよく行く中華料理屋さんでの事例ですが、現金支払いの方限定で「くじ引き」ができるという施策を実施されていました。私も現金払いにして、くじ引きに挑戦しました。

    ここで重要なのは計算です。5,000円の飲食代のカード手数料(3.25%)は、約160円です。もし、くじ引きの景品(次回使えるサービス券やドリンク)でお客様が現金を出してくれれば、「160円の手数料支払いを回避し、100円以下の原価コストで済んだ」ことになります。かつ、現金が増え、次回の来店にもつながる。一石二鳥どころか三鳥です。これは、とても賢い施策です。

    ▼Cash is King(現金は王様)

    便利なツールは使うべきですが、使われてはいけません。「みんながやっているから」と思考停止で導入したキャッシュレス端末が、あなたのお店の利益と現金を蝕んでいないか、今一度確認してください。「手数料で月いくら消えているか?」「その金額があれば、何ができたか?入金サイクルは自社の支払いに間に合っているか?」自問自答してください。

    もし今、
    「売上はあるのに、なぜか月末の支払いが苦しい」
    「手数料地獄から抜け出し、筋肉質な財務体質を作りたい」
    そう感じているなら、一度ご相談ください。

    私は店舗資金繰りコンサルタントとして、
    ✔ 決済手段の見直しによる利益改善シミュレーション
    ✔ 「翌日入金」を実現する仕組みづくり
    ✔ お客様が喜んで現金を出す仕掛け
    を一緒に考え、実行まで伴走します。

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2025.12.13
なぜ脱毛サロンは次々と潰れたのか?—「前受金」にひそむ罠

  •  「ミュゼプラチナム」、「銀座カラー(エム・シーネットワークスジャパン)」、「アリシアクリニック」など、ここ数年、脱毛サロン業界の倒産・トラブルが相次ぎました。
    一時はCMで見ない日はないほど華やかだった業界が、なぜこれほど脆く崩れ去ったのか?ニュースでは「解約返金トラブル」「過当競争」などが報じられますが、私が見るポイントは別の場所にあります。

     それは、このビジネスモデルが抱える「前受金」の扱いにあります。
    今回は、脱毛サロンの倒産事例を解剖し、店舗経営者が陥りやすい「見せかけのキャッシュ」の恐怖と、その正しい付き合い方について解説します。

     ▼そもそも前受金自体は悪くない(むしろ良い!)

     誤解してはいけないのは、「前受金をもらうビジネスモデル」自体は決して悪いものではない、ということです。 むしろ、資金繰りの観点から見れば「最強のモデル」と言っても過言ではありません。
     例えば、一般的な飲食店を想像してください。お客様が食事をして、クレジットカードで支払う。売上は立ちますが、実際にお金が入金されるのは「翌月末」や「翌々月」になることもあります。その間も、食材費や人件費などの支払いは先にやってきます。つまり、「売れているのにお金がない(サイト負け)」という資金ショートのリスクが常にあります。
     実際、私のコンサルティング現場でも、資金繰り改善の一手として、お得なお食事券の販売を提案したことがあります。さらに、お食事券の支払いを手数料のかかるクレカではなく、現金で前払いしてもらうことで、資金繰りがさらに良くなります。
    私自身も、以前よく通った横浜のビアレストランでお得なお食事券を購入したことがあります。お店はお金が先に手に入り、私はお得に食事ができ、お店のファンになる。正しく使えば、店と客の双方にメリットがある素晴らしい仕組みです。

    ▼経営者の規律が試される「甘い誘惑」

     しかし、この「最強の武器」を扱うには、強靭な経営者の規律(メンタル)が求められます。 なぜなら、目の前に「自分のものではない、巨額の現金」が積み上がるからです。脱毛サロンの倒産パターンの多くは、経営者の勘違いから始まります。
    「全身脱毛し放題」などで30万円〜50万円を先に受け取る手元の銀行口座に、巨額の現金が積み上がる経営者はそれを「利益」だと錯覚し、派手な広告費や出店費用に使い込んでしまう。

     ここが最大の過ちです。お客様から預かった30万円は、財務的には「売上」ではありません。「将来、施術をする義務(負債)」です。本来であれば、このお金は施術を行うたびに発生する人件費や家賃のために、大切に取っておかなければならない未来の「経費」です。
    それを「今あるから」「どうせ後でまた入ってくるから」と、欲に負けて使い込んでしまう。この「あるはずのない利益」に目がくらみ、使うべきでないお金に手をつける愚かさこそが、破綻の原因です。

    ▼成長が止まった瞬間、一気に転落する

     このモデルは新規客が増え続けている間は回ります(自転車操業)。しかし、コロナ禍や競合激化で新規客の流入が止まった瞬間、破綻します。

    • 入金(In): 新規が来ないのでゼロ。
    • 出金(Out): 過去にお金を受け取ってしまった既存客への施術コストは出続ける。

     まさに「過去に食べたご馳走のツケを今払わされている」状態。手元の現金は枯渇し、広告も打てなくなり、サービスの質が落ち、解約が殺到する。しかし、解約返金するための現金はすでに使い込んでしまって無い…。これが、脱毛サロン倒産のメカニズムです。

    ▼あなたの店にもある「前受金の罠」

     うちは脱毛サロンじゃないから関係ない。そう思いましたか?
    実は、店舗ビジネスにはこの「プチ・脱毛サロン現象」が溢れています。

    • 回数券(チケット)販売コース契約の前払いプリペイドチャージ

    これらはすべて、資金繰りを劇的に良くする「武器」であると同時に、経営者の金銭感覚を狂わせる「罠」でもあります。「通帳にお金がある=儲かっている」と錯覚し、未来に使うべきコストまで使ってしまう。この誘惑に勝てるかどうかが、経営の分かれ道です。

    ▼手元の現金の「色」を見極めろ

     では、どうすればいいのか? 答えはシンプルです。精神論ではなく「分別管理」を徹底することです。私がコンサルティングをする際、前受金を導入している店舗には必ずこう伝えます。
    「いただいた前受金は、サービス提供が完了するまで『別の口座』に分けて、絶対に手を付けないでください」「使えるお金は、施術が終わって『売上』に変わった分だけです」
    厳しいようですが、これを守れば、前受金はあなたのビジネスを加速させる「最高のエンジン」になります。逆に、どんぶり勘定で使い込めば、いつか必ず破綻します。

     アーバンコーポレーションのような「黒字倒産」とは逆に、脱毛サロンは「現金を大量に持っていたのに倒産」しました。共通しているのは、「お金の入りと出のバランス(キャッシュフロー)を制御できていなかった」という点です。
    「今、口座にある100万円は、本当に使っていいお金なのか?」
    「将来の支払いのために、取っておくべき『預かり金』ではないか?」
    この「お金の色(性質)」を見極める目を持つことが、永く続く経営の第一歩です。

    もし今、
    「回数券の売上で日々の支払いを回している(自転車操業気味)」
    「前受金を導入して資金繰りを改善したいが、管理がわからない」
    そう感じているなら、一度財務の健康診断を受けてみませんか?

    私は店舗資金繰りコンサルタントとして、
    ✔ 前受金を活用した「攻めの資金繰り設計」
    ✔ 「使っていいお金」と「ダメなお金」の明確化(管理体制の構築)
    ✔ 銀行融資を活用した健全なキャッシュフロー改善
    を一緒に考え、実行まで伴走します。甘い誘惑に打ち勝ち、筋肉質な財務体質を作りましょう。

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2025.12.11
過去最高益でも会社は潰れる?アーバンコーポに学ぶ黒字倒産

  •  「うちは黒字だから大丈夫」「決算書上の利益が出ているから、銀行も貸してくれるはず」もしそう思っている経営者の方がいたら、今日の話は少し怖いかもしれません。しかし、会社を守るためには絶対に知っておかなければならないお金の真実です。
    今回は、かつて「不動産業界の風雲児」と呼ばれながら、過去最高益を記録した直後に倒産した株式会社アーバンコーポレーションの事例をもとに、黒字倒産のメカニズムについてお話しします。

    ▼600億円の黒字なのになぜ倒産?

     2008年8月、東証一部上場企業のアーバンコーポレーションが民事再生法を申請し、倒産しました。負債総額は2,500億円超。衝撃的だったのは、その直前の決算(2008年3月期)で、売上高2,400億円、経常利益600億円という「過去最高益」を叩き出していたことです。数字上は絶好調。それなのに、わずか数ヶ月後に会社は消滅しました。
    理由はシンプルです。現金(キャッシュ)が尽きたからです。

    ▼勘定合って銭足らず

     なぜ600億円も利益があったのに現金がなかったのでしょうか? ここに「会計上の利益(PL)」と「現金(CF)」のズレがあります。
    当時のアーバン社は、マンション分譲から「ビルを再生して投資ファンドに転売する事業」へと急激にシフトしていました。「土地を買う→建物を建てる→ファンドへ売る」というサイクルですが、不動産は現金化されるまでに時間がかかります。

    • 仕入れ(キャッシュアウト): 巨額の借金をして土地やビルを買い漁る。現金は出ていく。
    • 在庫(棚卸資産): 完成した物件は「資産」として計上される(売れるまで費用にならない)。
    • 販売(売上計上): サブプライム問題で買い手であるファンドが資金難に陥り、一気に売れなくなった。

    決算書上は、持っている不動産の価値評価などで「利益」が出ているように見えても、手元の銀行口座には現金がない。加えて、倒産直前には、「300億円の資金調達を発表したが、実際は手元に残らない契約だった」という実質的な粉飾(に近い株価操作)まで露呈し、銀行団の信用も完全に崩壊しました。
    「利益」はあくまで計算上の数字。「現金」は現実。この2つの乖離(ズレ)を見誤り、さらに銀行からの信用も失った結果、黒字倒産となりました。

    ▼私が目の当たりにした不動産業界の実態

     実は私自身も過去に、ある土地造成を行う企業の経営診断した際、これと同じ不動産業の構造的な問題を目の当たりにしたことがあります。
    その企業も決算書上は黒字でした。しかし、ビジネスモデル上、どうしても投資サイト(お金を出してから回収するまでの期間)が長く、運転資金は常に銀行借入に支えられていました。
    借入金を含めた手元の多額のキャッシュを次々と「土地(在庫)」に変えていくため、本業でお金が増えているかを示す「営業キャッシュフロー」は常にマイナス。それに加えて、借入過多による「支払利息」と、黒字であるがゆえの「税金」の負担が重くのしかかっていました。
     さらに苦しかったのが、外注先(工事業者)に対する価格交渉力が弱かったことです。原価を思うように下げられず、薄利となった挙句、キャッシュが出ていくのを止められない…。
    結果として、「忙しくて利益は出ているのに、なぜか手元にお金が全く残らない」という状態に陥っていました。これは不動産関連業特有のジレンマかもしれませんが、「利益と現金は別物である」という真実を物語っています。

    ▼店舗ビジネスでも黒字倒産はあり得る

     「それは何千億という不動産会社の話でしょ?」と思われるかもしれません。しかし、この構造は店舗ビジネスでも全く同じです。例えば、

    • 在庫の抱えすぎ:「安く仕入れられるから」と大量に商品を仕入れたが、売れずに倉庫に眠っている。決算書上は「資産」ですが、資金繰り的には「不良在庫(=死に金)」です。
    • 過大な設備投資:「利益が出ているから」と、手元資金ギリギリまで使って改装や新店オープンをした。その直後に売上が少し落ちたら……?
    • 借金の返済(元金):ここが最大の盲点です。銀行への返済(元金)は「経費」になりません。利益が出て税金を払った残り(税引後利益)から返済しなければならないのです。利益が100万円あっても、返済が150万円あれば、黒字でもお金は減っていきます。

    ▼Cash is King

     アーバン社の黒字倒産は大きな教訓の一つとなりえます。どれだけ大きな売上高があって、素晴らしい商品があって、そして、どれだけ帳簿上の利益があっても、支払日に1円でも足りなければ会社は終わります。逆に言えば、どれだけ赤字でも、現金さえあれば会社は潰れません。だからこそ、PL(損益計算書)よりもCF(キャッシュフロー)を見る必要があるのです。
    好調な時ほど、脇が甘くなります。「利益が出ている」=「お金がある」と錯覚してしまうのです。そういう時は、「この利益のうち、現金として残っているのはいくらか?」「在庫や売掛金として眠っているお金は適正か?」「半年売上がゼロでも耐えられる現預金はあるか?」と自問してみてください。

    もし今、
    「利益は出ているはずなのに、なぜかお金がない」
    「税金や返済を払うと資金繰りがカツカツになる」
    そう感じているなら、それは黒字倒産に近づいているサインかもしれません。

    私は店舗資金繰りコンサルタントとして、
    ✔ 決算書では見えないキャッシュフロー診断
    ✔ お金の未来が見える「資金繰り表」の作成と運用
    ✔ 銀行が貸したくなる財務体質の改善
    を一緒に考え、実行まで伴走します。「勘定合って銭足らず」にならないために、未来のお金を守る仕組みを一緒に作りましょう。

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2025.12.09
法人成りで「創業融資」は使えるのか?

  •  事業が軌道に乗ってくると、税理士さんから「そろそろ法人化(法人成り)しましょうか」と提案されることがあります。そこで多くの経営者がふと思い立つのが、これです。「会社を作ったら『新設法人』になるんだから、また『創業融資』でお金を借りられるんじゃないか?」
     創業融資は、実績がなくても借りやすく、金利や無担保・無保証などの条件が優遇されている「ボーナスタイム」のような制度です。もし法人成りして再度これが使えるなら、資金調達のチャンスですよね。しかし、結論から言うと、多くの場合、法人成りで創業融資は使えません。今回は、意外と誤解されている「法人成りと創業融資」のルールと、そこから見えてくる「銀行が本当重視しているポイント」について解説します。

     

    ▼そもそも「創業融資」とは?なぜ人気なのか?

     本題に入る前に、「創業融資」のメリットを整理しておきましょう。創業融資(主に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」など)は、まさに創業時だけに用意されたボーナスステージのような制度です。
    通常、銀行融資は「過去の決算書(実績)」を見て審査します。しかし、創業融資には以下の特権があります。実績ゼロでも借りられる 過去の実績がないため、「事業計画書(これからの見込み)」を重視して審査してくれます。無担保・無保証で借りられる 原則として担保が不要で、代表者の連帯保証も不要(経営者保証なし)で借りられる枠があります。金利や返済期間が優遇されている。つまり、まだ何者でもない状態でも、リスクを抑えて資金調達できる最強の制度なのです。もし法人成りして再度これが使えるなら、資金調達のチャンスですよね。


    ▼事業の中身が同じなら創業とは見なされない

     法人成りといっても、多くの場合は、個人事業主でやっていた事業をそのまま法人に移す形だと思います。
    飲食店(個人) → 飲食店(法人)建設業(個人) → 建設業(法人)
    このように「事業の実態が同じ(継続している)」場合、銀行や日本政策金融公庫は「創業」とは見なしてくれません。例えば、個人事業で3年実績がある場合、法人を作った日が1日目でも、銀行審査では業歴3年目の企業として扱われます。創業融資の要件(創業して2期以内など)は、個人の期間も含めた通算で見られるため、対象外になってしまうのです。

    ▼【実例】私が今年1月に法人化したケース

     実は、私自身が良い例です。私はコンサルタントとして個人事業主を約8年間営み、今年の1月に法人成り(合同会社化)しました。登記簿上は「設立1年目のピカピカの新設法人」です。では、私が銀行に行って「創業融資を貸してください!」と言ったらどうなるでしょうか?
    答えは「NG(対象外)」です。
    銀行の担当者はこう判断します。「箱は新しくなりましたが、やっていることは8年前からの続きですよね? ならば、創業(1年目)ではなく、業歴9年目の企業として審査しますね」
    創業融資には「創業2期以内」といった要件がありますが、これは「個人の期間も含めた通算」で見られます。私の場合、通算8年を超えているため、創業融資という「初心者向け優遇ゲート」は通れないのです。

    ▼「創業融資NG」は悪いことではない

     「なんだ、借りられないのか」とガッカリする必要はありません。創業融資が使えないということは、裏を返せば「実績のある企業として、通常のプロパー融資や保証協会付き融資の土俵に立てる」ということです。
    創業融資は「実績がないから、事業計画書(未来)を見て貸す」という制度です。一方で、法人成り(実績あり)の場合は、「過去(個人時代)の実績(確定申告書)を見て貸す」ことになります。
    個人時代にしっかりと黒字の実績があれば、創業融資よりも良い金利・条件で借りられる可能性だって十分にあります。逆に、個人時代が赤字続きだった場合は、看板を法人に架け替えても融資は厳しいでしょう(※結局、見られるのは「実態」なのです)。

    ▼例外:創業融資が使える「レアケース」

     一方で、法人成りでも創業融資が使えるケースが一つだけあります。 それは、全く異なる事業を始める場合です。
    デザイナー(個人) → 小売店(法人)
    このように、これまでの経験とは全く関係のないビジネスを法人で立ち上げる場合は、実質的にゼロからのスタートとなるため、創業融資の対象として見てもらえます。
    ただ、ここには大きな落とし穴があります。 それは、「過去(個人時代)の通帳は絶対に見られる」ということです。「新しいビジネスだから、個人の過去は関係ないだろう」 そう思っていたら大間違いです。
    もし個人事業主時代に、
    ずっと赤字が続いていた資金繰りがショート寸前だった税金の滞納があった
    このような状態だと、「法人で新しいことをやります!」と言っても、銀行は「経営者としての資質(管理能力)」を疑います。看板を掛け替えても、中身(経営者)が同じである以上、個人の信用情報は必ず審査に影響するのです。

    ▼「看板」よりも「実態」

     今回のテーマから学べる、資金調達の鉄則があります。 それは、銀行は「法人か個人か」という形式よりも、「実態(儲かっているか、返せるか)」を見ているということです。
    創業融資が使えないから資金調達できないのではありません。個人時代の実績(決算書)が悪いから調達できないのが真実です。
    法人成りを検討する際は、単なる節税メリットだけでなく、「今の個人の決算書で、銀行は評価してくれるか?」「法人化した瞬間に融資を受けられる財務状態か?」という視点を持つことが重要です。

    もし今、
    「法人成りを機に運転資金を確保したい」
    「個人の決算書がちょっと弱いが、どう見せればいいか」
    「創業融資がダメならどの融資を狙うべきか」
    そう悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談ください。

    私は店舗資金繰りコンサルタントとして、
    ✔ 銀行が評価する「法人成りのタイミング」
    ✔ 個人から法人へのスムーズな融資引き継ぎ
    ✔ 創業融資以外の調達ルートの選定
    を一緒に考え、実行まで伴走します。形だけの法人化で終わらせず、「資金調達力が上がる法人化」を目指しましょう。

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2025.12.08
店舗経営者が押さえたい経営セーフティ共済の効果

  •  前回は、社長個人の最強の節税策として「小規模企業共済」をご紹介しました。今回はその続編として、法人版の強力な一手、「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」についてお話しします。
     この制度、単なる「連鎖倒産を防ぐ保険」だと思っていませんか?あるいは、「どうせ課税の繰り延べ(先送り)でしょ?」と軽く見ていませんか?しかし、前回のブログでお伝えした通り、資金繰りの世界では「繰延できた税額=金利0%での資金調達」を意味します。また、経営セーフティ共済は、使い方次第で「税金を払わずに手元資金をプールし、いざという時に自由に引き出せる金庫」になるのです。
    今回は、資金繰りコンサルタントの視点で、この制度を「攻めの財務戦略」として活用する方法を解説します。

    ▼「全額損金」が生み出す金利0%の資金調達効果

     「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営している制度です。国がバックアップしている制度ですので、民間保険のような倒産リスクを気にせず、安心して資金を預けることができます。本来の役割は、取引先が倒産状態になった際に売掛金の回収が出来なくなり、それに伴う資金繰りの悪化で連鎖倒産するのを防ぐために無利子で回収困難の売掛金債権等の額か、積立総額の10倍のいずれか少ない額までが即時貸付を受けられるというものです。このように取引先が倒産した際に連鎖倒産を防ぐための制度ですが、実務上はそれ以上に節税策+αとして広く利用されています。
     経営セーフティ共済の最大の特徴は、掛金(月額最大20万円、総額800万円まで)を「全額損金(経費)」にできる点です。例えば、利益が出て税金を払えば、そのキャッシュは会社から消えてなくなります。しかし、この共済に加入して800万円を積み立てれば、本来払うはずだった税金(約240万円相当※実効税率30%仮定)を払わずに済み、その分も合わせて800万円全額を「自分の資産」としてキープできます。
     これは財務的に見れば、「国から無利息・無担保で税金分の資金を借りて、運用している」のと同じ効果です。銀行から借りれば金利がかかりますが、この制度を使えば金利0%で資金を確保できる。だからこそ、私はこの「繰延」を極めて合理的な財務戦略だと考えています。
    ※注意点:掛金納付月数が40ヶ月未満で解約すると元本割れしてしまいます。中長期で積み立てる計画が必要です。

     ▼銀行に頼らない「第2の財布」を持つ(貸付制度)

     私がこの制度を推すもう一つの理由、それは小規模企業共済と同様に「契約者貸付制度」があることです。解約返戻金の95%の範囲内で、年利0.9%(※)という超低金利で事業資金を借りることができます(※金融情勢により変動しますが、銀行融資より低い水準であることが多いです)。
     経営セーフティ―共済による積立ては残念ながら利息はつきませんが※、セーフティ共済という「簿外資産」にプールしておけば、節税効果(資金繰り効果)を得つつ、必要な時は、審査なし・最短即日で700万円以上を現金化(借入)できる。つまり、銀行の顔色をうかがわずに使える「流動性の高い第2の財布」を持てることになります。「手元のキャッシュは厚くしたいが、税金で減るのは嫌だ」。そんな経営者のジレンマを解決する、攻守兼備の仕組みなのです。
    ※1年分を前払い(前納)すると、0.09%相当の「前納減額金」というキャッシュバックがあります。少しでもお得にしたい方は年払いがおすすめです。

    ▼「出口」さえ決めておけば怖くない

     もちろん解約して戻ってきたお金(解約手当金)は「収益」として課税対象になります。ここで「結局、税金取られるじゃん」と思うかもしれませんが、心配無用です。
     要は、「戻ってきたお金を使うタイミング(出口)」をコントロールすれば良いのです。大規模な修繕や設備投資が必要な時、赤字が出そうな年の穴埋など。このように、大きな経費が出るタイミングに合わせて解約すれば、税金で相殺され、キャッシュを有効活用できます。つまり、「金利0%で借りていた資金を、会社が一番必要なタイミングで返済(精算)する」というイメージです。

    ▼制度をうまく使ってキャッシュを守り抜け

     経営セーフティ共済はただの保険ではありません。「税金をコストゼロの資金調達に変え、会社の安全性を高める装置」です。小規模企業共済(個人)と、経営セーフティ共済(法人)。この2つをフル活用することで、社長と会社の財務に良い作用が生まれます。

     「ウチの場合はどう活用するのがベスト?」
     「出口戦略まで含めた資金繰りを設計したい」

    そんなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。単なる節税ではなく、「未来のお金の戦略」として、最適なプランを一緒に考えましょう。

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2025.12.07
店舗経営者が押さえたい節税の真実と効果的な節税策(小規模企業共済)

  •  店舗経営者に限らず、多くの社長は「節税」に興味があると思います。
    しかし、資金繰りという観点では、節税は扱い方を間違えると逆効果になることが多いです。経費を多くして利益を減らして税金を減らすと、確かに納税額は下がりますが、同時にキャッシュアウトが伴うため、手元資金は確実に減ります。そして、利益を小さく見せすぎると、銀行評価が下がり、いざ店舗展開や改装をしたい時に融資が通りづらくなり、成長が止まってしまいます。
     ただ、繰延型節税(課税を未来に先送りすること)については資金繰り面において悪いことばかりではありません。繰延型とは、費用が発生する時期をずらすことで利益を調整し、税金の支払いを将来へ延期するテクニックです(例:短期前払費用の計上や、必要な消耗品の前倒し購入など)。これにより、例えば100万円の税金を繰り延べできれば、利息0%で100万円借りたのと同じ効果が得られます。利息を払って銀行から借りるより、税金を先送りして資金を残す方が合理的とも言えます。ただ、注意点があります。改めてにはなりますが、利益を削りすぎれば、銀行は「利益の薄い企業」と判断し、融資枠が縮む可能性が高まります。つまり、会社の節税はやりすぎると成長の足を引っ張るということです。
     店舗ビジネスでは目先の節税よりも、中長期の利益の積み上げとキャッシュ創出の方が重要です。一方で、個人(所得税)の節税は積極的に活用すべき領域です。その中でも特に強くおすすめしたい制度が、小規模企業共済です(もちろん私もやっています)。

     ▼小規模企業共済は何がそんなに良いのか?

     小規模企業共済は、個人事業主や小規模事業者の会社役員が利用できる退職金積立制度です。一般的には「節税しながら積立できる制度」と理解されますが、それだけではありません。実はこの制度、節税+老後資産形成+貸付による資金活用まで可能となるまさに複数効果を兼ね備えた"攻守バランスの良い制度"です。
     掛金は全額所得控除。 例えば年間最大84万円積立すると…
    年収300万円なら → 約17万円節税
    年収1,000万円なら → 約36万円節税
    年収2,000万円なら → 約42万円節税
    累進課税のため、所得が高いほど節税メリットは大きくなります。

     節税だけでは終わらない―貸付制度が魅力

     私がこの制度を推すもう一つの理由が、「契約者貸付制度」です。 なんと、積み立てた掛金総額の範囲内(7〜9割)で、年利1.5%という低金利で事業資金を借り入れることができます。
    通常、事業資金が必要になったら、手元の現金を崩すか、銀行から借りる必要があります。もし手元の現金を株式投資で運用していた場合、それを売却(現金化)しなければなりません。これは機会損失です。
     しかし、小規模企業共済があれば、運用中の資産はそのままに、共済から低利で事業資金を調達できます。「年利1.5%の調達コスト」よりも、「手元の資産運用益(例えば年利4〜5%)」の方が高ければ、借りてでも運用ポジションを維持した方が合理的ですよね?
     つまり、「節税で確実に儲けつつ、いざという時は低利で資金を引き出せる(=資金流動性を確保できる)」という点で、これほど使い勝手の良い制度はありません。
     さらに、最後に受け取るときは「退職所得」扱いとなり、課税が大幅に優遇(1/2課税など)されるため、出口戦略も完璧です。 長期目線で考えるなら、活用しない方が損と言えます。

     ▼「守り」だけではお金は増えない

     節税も貯蓄も大事です。しかしそれらは守りの戦略。守りだけでは資産は大きくなりません。大切なのは、
    ①キャッシュを残しながら
    ②資産が増える仕組みを持ち
    ③制度や他人資本を味方につけること
    攻めと守りのバランスが、経営と人生の両方を豊かにします。

    もし今あなたが、
    「店舗の資金繰りを改善したい」
    「攻めの投資をしたいが、融資に不安がある」
    「社長個人の資産形成まで見据えた出口戦略」
    と感じているなら、一度ご相談ください。

    私は店舗資金繰りコンサルタント(兼FP)として、
    ✔ 使える制度の最適設計
    ✔ キャッシュを残す資金繰り戦略
    ✔ 融資・事業投資の判断基準
    ✔ 個人資産まで含めた財務設計
    を一緒に考え、実行まで伴走します。

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2025.12.06
たった10万円をどう増やす?ー「良い借金」と「悪い借金」の思考法

  •  先日、私が所属している趣味(山登り)の会で、リーダーからこんな質問を受けました。

    「グループの余剰金があるんだけど、銀行に置いておくだけではもったいない。資産運用が得意な小林さんならどうやって増やす?」

    その金額は10万円。
    思ったより小さい金額でした(笑)。ただ、お金のコンサルタント(しかも資産運用好き)としては血が騒ぐテーマでした(笑)。

    私はこう答えました。
    「もしこれが『絶対に減らしてはいけないお金』なら、国債や定期預金にしておくのがよいと思います」「でも、もしこれが攻めてもいいお金なら……全く違う手を打ちます!」
    今回は、私が頭の中でシミュレーションした「攻めの運用」と、そこから導き出される「経営者が知っておくべき借入(レバレッジ)の本質」についてお話しします。 

    ▼資産運用好きの思考実験:お金をどこに置き、どう働かせるか?

     正直なところ、10万円のままでは買える投資商品が限定されたり、使える手法が限られたりします。ですので、「もし資金が100万円あって、リスクを取って本格的かつアクティブに運用するなら」という前提に変えて、私の「なかなか本気の手法」をお話しします。
    リスクをとってでも最大効率で資産を増やしたいなら、ただ単に投資信託(オルカン・S&P)や株を買って祈るようなことはしません。

    ①割安・高配当株を狙い、且つ「オプション取引」を駆使する
    最低限考慮すべき指標としては、PER、PBR、配当利率、目標株価。また、単に株を成り行きや指値で買うのではなく、オプション取引(コールやターゲットバイ)を検討します。「欲しい株が安くなるのを待つ間も、プレミアム(収益)を受け取る」という仕組みを作ります。
    *プレミアム:買付け条件に同意しただけで、買う義務を引き受けた報酬として数千円〜数万円もらえる場合があります。

    ②ここぞという場面で買い増す(場合によっては「証券担保ローン」も活用)
    ここがポイントです。多くの人は暴落を恐れ、暴落時に狼狽しますが、高配当株が急落した時は、言わばバーゲンセールです。買付余力があれば買い増し(ナンピン)する。余力がない場合は、「証券担保ローン」で保有株を担保に資金を借り(レバレッジ)、安値で買い増し(ナンピン)をするのも手でしょう。配当利回りがローン金利(例:4%前後)を上回る銘柄であれば、理論上、借金をしても利益(差益)が出ます。これを「イールドギャップを抜く」と言います。これらは少しマニアックな手法ですが、要するに「他人資本(借りたお金)を安全圏で活用して、成長スピードを早める」という考え方です。
    ただ、借りすぎには要注意です!投資とは本来余剰資金で行うべきですので。

    ▼ビジネスにおける「良い借金」と「悪い借金」

     さて、ここからが本題です。なぜこんな投資の話をしたかというと、この思考法は「店舗ビジネスの資金繰り」に通じるものがあるからです。
     日本には「借金=悪」と捉える風潮があります。確かに、浪費や生活費の補填(消費)のための借金は、人生を蝕みます。これは「悪い借金」です。しかし、将来のキャッシュフローを生むための借金は、ビジネスを加速させる「装置」になります。これが「良い借金(レバレッジ)」です。
    ・店舗の改装:居心地を良くして客単価を上げる
    ・広告宣伝:新規顧客を呼び込み売上を作る
    ・人材採用:サービスの質を高めリピートを増やす
    これらに投資するために、手元の現金が貯まるのを待っていては、チャンスを逃してしまいます。私が投資で「金利より配当が高いなら借りる」と判断するのと同様、「金利以上に利益を生む見込みがある」ならば、銀行融資を活用して時間を買うのが経営の正解です。
    ちなみに、ボーナスが出たからといって、住宅ローンの繰り上げ返済する人が居ますが、せっかくの低金利資金を手放すことになるので、個人的には、勿体ないなぁと思ってしまいます...(NISAやiDecoといった非課税枠の制度を使いながら投資に回した方が経済合理性として優れています)

    ▼「守り」だけでは利益・キャッシュは生まれない

     手持ちの現金を守ることだけに必死になり、投資を恐れていませんか?それでは、資産も店舗ビジネスも成長しません。重要なのは、借金を避けることではなく、「リスクをコントロール可能な範囲に収めながら、他人の力(融資)を使って大きく勝つこと」です。
     もし今、あなたが、
    「店舗の資金繰りを改善したい」
    「攻めの投資をしたいが、融資に課題がありそう」
    「会社のお金も個人資産も、もっと効率よく増やしたい」
    そう思っているなら、ぜひ一度ご相談ください。

    私は店舗資金繰りコンサルタント(兼FP)として、
    ✔ 銀行融資の勝ち取り方(攻めの資金調達)
    ✔ キャッシュアウトを防ぐ鉄壁の資金繰り(守りの管理)
    ✔ 社長個人の資産形成まで見据えた出口戦略
    を一緒に考え、実行まで伴走します。
    「お金に働いてもらう仕組み」を、あなたのビジネスにも実装しましょう。

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2025.11.08
「財務」とは未来志向のお金の戦略

  •  経営者の皆さんは「財務」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?おそらく多くの方が「帳簿や決算、税金の話」、そして「税理士に任せるもの」と思われるでしょう。
    しかし、私がコンサルティングで扱っている「財務」は、そのような“過去のお金”ではありません。私が扱うのは、未来のお金の戦略です。

    ▼多くの税理士が扱うのは「過去のお金」の話

     多くの税理士が扱う領域は、具体的に言うと、主に「会計」と「税務」です。会計とは、過去に起きたお金の動きを記録・整理し財務諸表を作成すること、売上や仕入、入金や支払いといった“終わった取引”を正確にまとめる作業です。一方、税務は、その会計データをもとに税金を計算し、申告書を作成すること。つまり、税務も「過去に発生したお金」に基づいて処理を行う仕事です。
    このように、会計も税務も、どちらも経営に欠かせない重要な仕事ですが、“過去のお金の整理”に過ぎません。また、過去の情報は、未来にうまく活かさなければ、あまり価値のないものになってしまいます。最も重要なのは、過去を整理して終わりにせず、未来にどう活かすかという視点なのです。

    ▼「財務」とは「未来のお金」の話
     
     一方、「財務」という領域は、未来に目が向いています。たとえば、次のような問いを経営者と一緒に考えます。
    ・来月・今期中に現金はいくら足りなくなるのか?
    ・そのために、どれほどの対策・調達が必要なのか?
    ・投資や設備更新のタイミングはいつが最適か?
    これらはすべて、未来のお金をどう動かすかというテーマです。過去の数字を眺めるのではなく、これからのお金の流れ(キャッシュフロー)を設計・検討する。それこそが、「財務」の本質です。経営とは、未来に向かって意思決定を繰り返す行為です。その意思決定を支えるのが、「未来のお金の戦略=財務」なのです。

    ▼経営者に必要なのは“未来思考の財務”
     
     多くの経営者が「数字は苦手」と言います。しかし、数字そのものではなく、数字の未来へのつながりを理解することが大切です。過去の決算書を見て安心しても、来月の資金がショートすれば会社は続きません。逆に、未来の資金繰りを把握していれば、多少の赤字でも倒産は防げます。財務とは、「未来の安心をつくるための思考法」であり、 経営の羅針盤と言っても過言ではありません。

    ▼財務コンサルタントとしての役割・使命
     
     私が支援上で大事にしていることは、数字を並べることではなく、未来を設計することです。経営者が“これからの一手”を打てるように、財務・キャッシュフローの観点から伴走する── それが、財務コンサルタントとしての役割・使命です。未来を良くするためにお金をどう動かすか。その設計こそが財務であり、経営そのものです。
    私は、「未来×お金=財務」というテーマで、経営者の右腕として共に考え、共に歩むコンサルティングを行っています。
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2025.11.07
顧客の声を活用した「売れる仕組み」作り

  • ブログ記事第一号です。
    財務・資金繰り系の記事ではありませんが、フードビジネスにも資するネタ、某大手カレーチェーンのネタですので、投稿させていただきます。最後まで読んでいただけますと幸いです。

    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

     一生懸命営業しているのに、なかなか売れない。広告費をかけても、思うように集客できない…そのような悩みを抱えていませんか。もし、あなたのビジネスがこのような状況なら、「セールス」に終始することをやめてみませんか?

    そもそも、売り手が「売り込もう」とすればするほど、かえってお客様は買わなくなります。例えば、洋服屋で店員に積極的に商品を勧められると、逆に買いたくなくなるものです。一方、「口コミ」を活用すれば、お客様が自ら他の人に商品やサービスの魅力を伝えてくれます。そのため、売り手の「売りたい」という意図が前面に出ずに、自然な形で価値が伝わるのです。さらに、あなたの会社に代わってお客様が営業員となり、その魅力を発信してくれます。だからこそ、リソースの限られた中小企業こそ、セールスに頼らず、顧客の声を活用した「売れる仕組み」を作るべきなのです。

    ▼口コミは自然に売れる最強の仕組み

     メディア露出は一時的な効果にとどまりますが、口コミは波のように拡散していきます。
    例えば、たった1人が2人に伝えるだけでも、10回繰り返せば2の10乗で約1,000人、20回繰り返せば100万人に届く計算です。 SNSでの共有が加われば、さらに爆発的な波及効果が期待できます。良い口コミが増えるとお客様が増え、話題となってメディアやSNSに取り上げられやすくなり、その結果さらに新たな顧客が集まる――まさに好循環(スパイラル)が生まれます。この流れを作ることで、積極的に宣伝しなくても自然に集客できる仕組みが整います。

    ▼実践例:広告費ゼロで集客する仕組み

     私は、経営コンサルティング業の傍ら、都内で無人の貸し会議室を数軒展開しており、広告宣伝費ゼロ・看板等一切無しで、連日予約を獲得しています。その秘訣の一つは、ご利用後お客様から頂く「レビュー(口コミ)」です。

    実際、私が運営するスペースでは、延べ千件超の良好なレビュー(平均4.8/5点満点)を獲得しています。このようなレビューの蓄積は、スペース予約サイトの検索順位にも良い影響を与え、自然と集客につながっています。もはや「営業資産」と言っても過言ではありません。私は、ご利用後全てのお客様にお礼とレビュー協力のお願いのメッセージをお送りしています。実は、ご感想の他、不満や要望をメッセージ返答いただくことで、レビューに記載されにくくなる利点もあるのです。こういった仕掛けを複数設けることで、全利用者の約4割の方にレビュー投稿いただいています。

    ▼対企業でも「口コミ・紹介」は強力な武器

     一方で、「ウチはBtoBだから口コミ活用は難しい」と思われる方もいるかもしれません。しかし、BtoBでも「口コミ・紹介」は強力な武器になりえます。例えば、導入事例を記事化したものや、顧客の声をホームページ等で掲載することが有効です。例えば、ITサービスを導入した企業の成功事例を具体的に紹介すれば、同じ業界の企業が「ウチも試してみよう」と思うきっかけになるのです。

    ▼顧客の声を徹底活用した事例

     さらに、積極的に顧客の声を活かして、サービス改善や経営に活かすこともできます。
    例として、国内最大のカレーチェーン「CoCo壱番屋」が挙げられます。創業者の宗次徳二氏は、徹底的に顧客の声に耳を傾け、改善に取り入れていました。具体的には、毎朝アンケート葉書に目を通し、その内容を基に店舗へ指示。そして、月毎に纏めたヒント集を全店舗に配布するなどです。経営者自らが顧客の声に真摯に向き合い、改善を積み重ねる姿勢は、全ての経営者が見習うべきポイントです。このように顧客の声を販売面のみならず商品開発やサービス改善に活用することで、競争力を高めることができます。その結果、セールスに頼らず「売れる仕組み」を作ることに役立つのです。

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