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銀行は決算書のどこを見ているのか?融資に強い会社の条件

銀行は決算書のどこを見ているのか?融資に強い会社の条件

2026年06月03日 10:07

「うちの会社は黒字なのに、なぜ融資に慎重なのだろう?」

そう疑問に感じたことはありませんか?

実は、銀行は決算書を見る際に「売上高」や「利益額」だけを見ているわけではありません。

どれだけ借入があっても返済できる力があれば問題ありませんし、逆に借入額が少なくても返済能力が低ければ融資には慎重になります。

つまり、銀行が本当に知りたいのは、

「この会社は、借りたお金をきちんと返せるのか?」

という一点です。


今回は、銀行員が決算書を見る際に特に重視している「借入余力」と「返済能力」を測る2つの重要指標について解説します。

1.借入月商倍率:身の丈に合った借金か?

1つ目は、借金の総額が月商の何ヶ月分に相当するかを診る「借入月商倍率(=借入金総額÷平均月商)」です。


<判断基準>
●3ヶ月以内:健全○(銀行から「もっと借りませんか?」と営業が来るレベル)
●3~6ヶ月以内:許容範囲△(一般的なライン)
●6ヶ月超:警戒レベル×(返済額が利益を圧迫し、手元に現金が残りにくくなる負のループに近い)

売上が1,000万円あっても借金が8,000万円(8ヶ月分)あれば重すぎますし、売上が100万円でも借金が200万円(2ヶ月分)なら余裕がある。銀行はまずこの指標で「身の丈を超えていないか?」を瞬時に判断しています。

2.債務償還年数:返済に何年かかるか?

2つ目は、銀行が格付けにおいて最も重視する最重要指標「債務償還年数(=借入金総額 ÷簡易キャッシュフロー)」です。これは、「今ある借金を本業で稼いだキャッシュ(簡易キャッシュフロー=営業利益+減価償却費)だけで返すのに何年かかるか」という返済の馬力を測るものです。また、その企業の返済能力、借入が過剰に膨らんで資金繰りを圧迫していないかを診ることが出来ます。


<判断基準>
●10年以内:合格(銀行が「優良企業」として扱う基準)
●15年超:警戒(新規の融資が非常に通りにくくなるライン)


どんなに豪華な内装で売上が立っていても、この年数が20年を超えていれば、銀行は「この商売は返済のために存続しているだけだ」と冷酷に判断します。逆に、利益をしっかり出し、減価償却を味方につけてこの年数を短縮できれば、次の出店や投資のチャンスはいつでも手に入ります。

▼無借金王・任天堂の凄み

任天堂の最新の有価証券報告書(2025年3月期)を診ると異次元レベルになっています。

貸借対照表を診ると、驚くべきことに銀行などからの「短期借入金」や「長期借入金」、そして「社債」といった有利子負債が一切計上されていません。負債合計は約6,730億円ありますが、その中身は支払手形や買掛金といった事業上の負債のみ。
つまり、前述の「借入月商倍率」「債務償還年数」を計算しようとしても、返す必要のある借金がゼロのため、結果は「0」。

自己資本比率も約77.5%と鉄壁。1.6兆円もの現預金を抱え、利息を払うべき借金がゼロ。この圧倒的なバランスがあるからこそ、彼らは何千億という巨額投資を、銀行の顔色を一切伺うことなく、自分たちのタイミングで行えます。

もちろん、レバレッジを活用する店舗経営において「無借金」が常に正解とは限りませんが、彼らのような、いつでも返せる圧倒的なキャッシュを持ち、銀行の顔色を一切伺わずに投資判断ができるというのは、強者のポジションであり、経営の自由度を最大化させます。

▼まとめ

「決算書の診方」シリーズとして、3回にわたってB/Sの右側、左側、そして銀行目線による診方を解説してきました。

●右側:自己資本比率とROEを高め、守りと攻めのバランス経営を意識する
●左側:安全性指標(流動比率・当座比率)、現預金月商比率を高め、資金繰り力を高める
●銀行目線:借入月商倍率を6ヶ月以内、債務償還年数を10年以内に抑え、銀行を味方につける

この3つが揃ったとき、あなたの店は「強い財務基盤を持つ企業」へと進化します。

「銀行から見た自分の評価を正しく知りたい」
そう思われた方は、ぜひ一度ご相談ください(初回相談60分無料です)。決算書という「通信簿」を改善し、あなたが本来やりたかった「理想の経営」に集中できる土台を、一緒に作り上げましょう。